離れて逝く想いはもう美しくない 餞のことばさえ撰んでしまう 最初から凡て誰かに造られた 話だとすれば少しは綺麗に散れるかな とりあえず振った手の鼓動も途絶え 取りとめのない偽りも最期を告げる 午後六時の闇の匂いは色とりどりで 取り返すことが出来ないように仕組まれている 果然孤独は臓器を丁寧に貫いて 風邪をひくような感じで襲う痛み 頼りない安らぎを掻き集めて眠る 櫛るような夢を観る 付き纏う苛立ちに躰を委せたい 吐き飽きたことばさえ憾んでしまう 縷な悔いが凡てを蝕んでいく 叢雲は此の私であったと気付く