023

鶏と亀



くちばし黄色いまま
大人になってもやっぱチキン
それでも声はでかい
頭に掲げた赤いアイデンティティ

つばさは閉じたまま
そういうモンだって諦めてる
産み出す未来に
ダーウィンくつがえす奇跡期待してる

そんな彼を立ち上がらせたコロンブス

ウサギに勝ったけど
未だにゴールは遥か遠い
甲羅は堅いけど
それってやっぱり脆さのカモフラージュ

何年でも待つさ
浦島太郎が現われるのを
待ってましたとばかりに
過ぎ去った刻を全部押しつける

そして玉手箱から煙が立ちこめる

つばさよりも
甲羅よりも
大事なもの
それは理想論?
それとも新たな進化論?

永遠につづく水掛け論



戻る