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旅人を乗せたそのバスは絶望の溜め息で窓が曇った



紙に操られてる僕らは
二次元の錯覚に一喜一憂
水槽でもトリカゴでも
不自由を感じないなら
そこが宇宙なんだろう

奇跡でも起こらないかって
偶然の湯船に浸かってる
他の誰かの幸せを
こっそり祈るような類の偽善が
底のほうに水垢みたいに

積もり積もった傷や痛みが
少しずつ透明を蝕んで
何も見えなくなってしまうその前に
君を見つけられるだろうか

酸素の少ないこの世界なら
錯覚のみが快楽の種なのか
笑えなくなってしまうその前に
君を見つけられるだろうか



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