122

きょうと



君が教えてくれた道
夜空に続く暗闇が
浮かんでは消える傷のようで
灯火が少し沁みる

君が教えてくれた歌
寄り添える場所を探してた
歌声が今も消えなくて
遠回りしているみたい

君が教えてくれた風
呼んでも届かないくらいに
後ろ姿も見えないけど
途絶えないあの時間の匂い

君が教えてくれたこと
寄せ集めても戻れない
歌声だけ今も消えずに
通り過ぎていく

霧のかかった朝の景色も
読み終えてない小説も
うつむいた君の横顔も
通り過ぎていく



戻る