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黄昏



どこにも着地できないまま
空気の薄い闇を漂う
例えば全部壊せるなら
少なくとも今よりは楽になると
そう思うんだけど

この重い胸の痛みが
切り刻まれるような寂しさが
いつか誰かにそっと
手を差し伸べる動力として機能すればいい
そう思わないと眠ることすら覚束無い

独りぼっちだと感じるほど弱くないけど
見えないものを信じれるほどまだ強くないんだ

愛する人の優しさが尖って見える
実際尖っていたとしても
それを咎めるのは僕の悪い癖なんだ

愛する人の優しさが尖っているのなら
胸を支配する化け物を貫いてもらえば良い

どこにも着地できないまま
誰もが分厚い闇を彷徨う
例えば皆そうなんだよって
確信できるなら辛くはないと
そう思うんだけど

想いに委ね狂えるほど弱くないけど
見えないものを信じれるほどまだ強くないけど

愛する人の嘘ならそれもまた真実
偽るように仕向けたのは
紛れもないこの僕の存在なのだから

愛する人の優しさが尖っていたのなら
化け物もろともこの胸を貫いてもらえば良い
そう思わないと眠ることすら覚束無い

8/24 0:06

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