吊り革と手を繋いで 不協和音のような振動に あるいは羞恥心の欠如した男女に 不快感を覚える聖なる夜 闇に滲む赤と緑 倒れそうな樹木に巻きつく電線 それ以上に巻きつき合う男女に 殺意に似た感情を抱く聖なる夜 静寂を切り裂く鐘の唄 不協和音のような感情に あるいは羞恥心の欠如した音楽業界に 立ち止まることは無いと誓う聖なる夜 吊り革から手を解いて 愛する場所へと扉を抜けていく 記憶の奥の魔物が目を覚ます前に 孤独感より足早になる聖なる夜 夜が明ければ並べて残骸 中身が残っているのに棄てられた缶 まるで何かを象徴するかのようで 少しだけ救われた気がした聖なる夜