何枚脱いだって、 裸にはなれない。 愛する人の前では、 さらに重ねる赤色。 鏡にも映せず、 裸になれないまま。 いつしか骨になって、 初めて白くなる。 隠しているうちは 私でいられる 探さなくたって いつも此処に在る 「本当の自分」 分厚い殻に包まれ、 曝け出す妄想。 愛しているよ、等と 闇のように赤い言。 水面を揺らす風。 貴方がくれた傷痕。 いつしか灰になっても、 そこだけ赤く遺る。 欺いているうちは 信じていられる 求めなくたって いつも此処に在る 「真実の愛」とやら 何枚脱いだって、 其処に私は居ない。 正解はいつだって、 私の奥の赤いところに。