秋桜咲き乱れる丘 来る筈もない君を待つ 飲み込んだ言葉は 涙となって吹き出して 少し冷たい風に溶けて 青い空の部品となる あの日届かなかった優しさが 今頃何処かで 誰かの不器用な愛を そっと埋めているなら この寂しさも悪くない すれ違う気持ちが 視線の向きで絡まって ややこしい嘘を従えて やっぱり青い部品となる 秋桜を揺らす風が 懐かしい君の声を運ぶ 色づいた記憶が まるで牢獄に見える夜は 時計の針が胸に刺さって 痛みは青い灯りに消える あの日届かなかった手のひらが 今頃温かくて 誰かの不器用な愛を そっと撫でているから 二人の時間は間違いじゃない 秋桜咲き乱れる丘 来る筈もない君を待つ