天気予報が外れて 革靴が水溜まりを避けきれなかった 古新聞を丸めた 二週間前の記事に目を奪われた ついでに天気図も見た 確かにその日は晴れていた そんな具合に 何千年か後には 天気予報が外れることも 革靴を乾かすことも無くなってるのかな 不便や悲しみを 知恵や科学で飲み込んでいけば 君を思う切なさを 言葉にしなくなるのかな 天気予報が外れて 鞄のなかで場所をとるだけの折り畳み傘 鞄の中身なんてそんなものばかりだ すべてうまくいけば何も持たずに生きていける 荷物が多いってことは それだけ備えてるってこと 突然の雨だったり 涙だったり それ以外の想像し得る様々な事態に そんな具合に 君に会うときはいつも大荷物で それでも雨に濡れたりする そうやって僕は鞄を大きくする 知恵や科学で小さくなった傘を 目一杯詰め込んで 言葉にできない部分も表現する 天気予報は外れるし 君の言葉も予測不能 だから僕は生きていける だから僕は詩を書く だから僕は君が好きで だから明日は晴れますように 君に会えますように