「羊を数えておけばよかった」



おとなしく羊を数えておけばいいのに、ついつい近くにあったものだから、大きな笑い声とか、無造作なんだかねぐせなんだか分からない髪型とか、要するにあなたを数えてしまったよ。
そばにいるときはすぐに眠たくなるのに。いくら記憶を積み上げても、あなたにならないどころか、淋しさばかりがどんどんどんどん。
不安になるのは信じてないってこと?
それとも、真実じゃないってこと?
淋しさばかりがどんどんどんどん、夜は多数決で勝手に明日をつれてくる。
私、今日も眠れなかったよ。おとなしく羊を数えておけばよかった。



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