337

滴々(ふたつのしずく)



「世界の終わりは要りませんか?」

彼女は言った。

私には答える方法が分からない。
世界に正しさ等
存在しないことは知っていても
その知識が正しいのか
私には分からない
私には分からない。

「世界の始まりなんて要らなかった。」

傷つくこともなかった。

倖せを幾つか犠牲にしたとしても
世界に「さよなら。」等
存在しないことを願いたいんだ
誰の言葉が正しいのか
私には分からない
私には分からない。

世界は終わりを告げないままで

彼女は逝った。

私には受け入れる方法が分からない。
世界に優しさ等
存在しないことは知っていても
この涙が正しいのか
私には分からない
永遠に分からない。

2005/9/19 19:32

前へ/次へ
リストに戻る