脳から伸びる黒細い煩悩 抜けたり痛んだり 枝分かれしたり 向かう先はどこだい? 問うても声は無く そう、正に“カミノミゾシル” 視界を広げておくれ その銀色の刃で トカゲの尻尾みたいに この混沌から抜け出したい ぱさり ぱさり せめて散り際だけでも 美しいならば 桜のようになれるでしょうか ふわり さらり もはや物言わぬ骸 朽ち果てた記憶に その笑顔だけが無闇に鮮明に… 涙を乾かしておくれ その春風の機械で アゲハの蛹みたいに この沈黙を過去のものにしたい とろり だらり 例えば根元まで汚れても 洗い流せるならば 貴方の事を覚えていられるのに ひとり ぽつり おろしたはずの荷物が 肌にしがみついて 失ったはずの煩悩が懸命に…