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避難訓練



おばあちゃんには
もう会えないらしい
どういう意味なのか
その頃の僕には判らなくて

義務教育を走り抜けて
それなりに年をとった今
僕に判ることは
僕は死ぬまで生きるしかないってこと

人生は避難訓練みたいなもので
死ぬ直前までおそらくフィクションで
全てを失ってから知るのだろう
それが僕の真実だったってことに

ややこしい仕事は
誰かに頼るしかない
何かの手続きとか
フローチャートをなぞってハンコを捺して

命を救えるくらいの
労力と金を注ぎ込まれて僕は走り続ける
棺桶に向かって一直線に

人生は避難訓練みたいなもので
その意味を知るときにはもはや手遅れで
全てを失ってから知るのだろう
失うほどのものをまだ何も手にしてないことに

2006/6/24 12:55

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