outroduction

今までありがとう
明日からあなたのいない景色
たいして何も変わらない
楽しいことがあったとき
メールする相手が減っただけ
あなたに悩みがあっても
それを知ることすらできないだけ

元気でいて下さい
本心からただそれだけ願えたなら
誰も傷つかずにすむのでしょうが
つないだ手の暖かさがまだ冷えないのに
記憶の箱の見えないトコにしまう勇気なんてなくて
隠していた気持ちがいまさら言葉になるんです

あなたに会えてよかったよ
明日も明後日もこのまま忘れずに持っていけるかな？
淋しくなるとその喜びすら否定してしまう僕だから
「あなたに会えてよかった」と
別れの言葉としてしかその言葉を選べない
どれだけあなたを傷つけただろう？
それを知ることすらできないだけ

今までありがとう
あなたのいた景色が鮮やかすぎて
しばらくは記憶のフタを開けっ放しで
オルゴールみたく懐かしく胸に響くのでしょう
すぐに忘れられるほど弱くない
だけどいつまでも想い続ける強さもない
時間が経てばオルゴールは止まり
別のイントロダクションに胸を痛めているでしょう

あなたのいない景色を
負けないくらい鮮やかに染められるなら
笑顔で手を振れるのでしょう
僕はまだ目を閉じたまま
どうすることが男らしさなのかを考えています

今までありがとう
あなたに会えてよかったよ
さよなら