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捨て詩



ある程度の嘘なら
電車の遅れみたいに
あっさり忘れるのに

小さな矛盾を
足りないピースみたいに
許せないままでいた

曲げてねじって
折れるほど悩んだ結果
出した答えに対し
それを溶接する熱が見当たらない
僕のポケットには
醒めるのを待つ
人肌しか入ってない

さよなら
君には手を振らない
すでに姿は見えないから
さよなら
美化した記憶にバイバイ
楽しかった思い出よ
どうかもう目覚めないで

さよなら
どうせ思い出せば
またきちんと愛してしまうから
それまでバイバイ

2007/3/16 7:22

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