街灯が照らすもの その奥の光届かぬ場所 紺色は実像より遥かに伸び 朧げにでも確実に繋いでいく 街灯が照らすもの 記憶に惑い前向かぬ自身 優しさは時として雨のように蒼く 踏み固めたはずの大地を疑わせる 街灯が照らすもの 更に遠くの消すべき想いの残骸 蛍が夏の夜を歌うが如く 残像を確かにその瞳が追っていた 街灯が照らすもの その奥の光届かぬ場所 保護された先端は増して鋭利で 雑多な憶測を嘲笑うように 貫き輝く 破片のように