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名前の無い歌



声が欲しくて
また破るんだ
守るべきモンは
こんなんじゃない

雲の向こうから
透かしてみたら
また違う痛みが
見えるんじゃないか

愛すべきモノは
比べられなくて
たった2つ抱えるだけで
前が見えなくなってしまう

そんな不器用で
頼りない「うた」
頑丈でもないし
純粋でもない
それでもただ一心に
君を愛そうとする
なるべく傷つけないように
出来る限り支えようとする
悩んでは喜んで
落胆しては強くなる
繰り返して愛の形になる「うた」

温もりを求めて
また捨てるんだ
手に入れることって
なんて難しいんだ

こっちじゃない方を
選んでいたとしても
別の顔が別の痛みを
見つけ出して

そうやって僕らは
いろんな色の痛みを
吐き出すときには優しさと名付けて
矛盾をてなづけて歩いていく

そんな不器用で
頼りない塊を
魂にかえる「うた」
変化を繰り返しながら
相変わらず今日も君を愛したいと願う
風のように優しく
けど形や色を求めてしまう
透明な空に憧れては
汚して汚れて
向こう側が見えないほど透き通った「うた」

いつまでも君に捧ぐ

2007/6/18 22:58

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