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夏景色



約束を守ることじゃなくて
小指を絡めることに意味があった
記憶は淡く溶けていった
ただ君の香りだけ残して

バーベキューのあとの炭火みたいな風景
君は元気にしてるかな?

たとえば別の人と恋に落ちて
僕の知らない場所に旅立っていても
もう嫉妬することもできないほど遠い恋
ふとした拍子に思い出して
散らかってた思い出につまづいては
何も変わっちゃいないことを思い知る

背伸びしても届かなかった景色
花火の仕組みとか今なら教えられるけど
あのもどかしさが大人への糧
まだ君の香りを忘れていない

点在する赤に高熱を秘めていた日々
君の記憶の僕はどんなんだろう?

時間も汗も何も言わないで流れていく
君がいた時間だけ少し不純物が多くて
その向こうの景色がいつも見えないままで
何も分かっちゃいないけれど
今年も少し不純物の多い夏がやってくる

2008/8/3 1:14

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