手錠(368)

言うほど変じゃないけど
かなり歪な手錠を
僕はぶらさげてる、そうすると
だいたい辻褄は合う
そんな感じで日々を過ごしてる

UFOを信じられるほど
透き通ってないくせに
僕は人を愛してしまう
対象者にもそれを願う
知るたびにいちいち悲しみが付随する

僕の言動を、哲学を、
表情を、嘘を、悲しみを
リフレーミングしたり
分析してくれる人、
要はそばにいてくれる人に
僕の真実を、て言うよりは
僕にさえ明かせない本音を
あくまで参考程度に
ぶつけられたらいいな
夜はそれにしても暗く短い

８号沿いテールランプの列
カーステレオのジャズ
僕は彩られながらかろうじて
誰かの為に笑える
損得の勘定じゃなくそん時の感情で

違う思いで背負う
似た荷物から
探す手錠の合鍵
僕は僕を愛せないことを
他人の所為にすることでしか
受け入れられないけど、
認めたくはなくて

僕の破綻した理論を、
そっと撫でてくれる人もいれば
拒絶してそれっきりだったり
聞いてない人もいるなあ

無情なまでにただ流れる刻に
立ち止まらないで、はみ出してでも
一つ一つ整理してみたいな
本気で考え始めたあたりで
いつも頭をぶつけるのが
暗く短くて見えなかったけど
それが現実ってやつなのか
それとも愛の形だったりするのか

言うほど変じゃないけど
かなり歪な手錠を
僕はぶらさげてる、そうすると
だいたい辻褄は合う
そんな感じで日々を過ごしてる