すきま風



受話器を置いた途端に
すきま風みたいな匂いがした
別に寒くはないんだけど
毛布に包まって眠った

無責任な胸の痛みと
手を繋ぐような日々の中で
落ちていく夕日の赤を
分け合うような幸せに

大事なものが増えてきて
少しずつ零れてる気がした
強がっていたのも忘れて
また君にもたれてしまった

罪悪感も自分勝手で
わがままなのにいつも優しい
どこまでも続く空を
眺めるような幸せに

不確定な明日の光に
照らされるような日々の中で
不十分な僕を認めて
手を繋ぐような日々の中で

零れていく時計の針を
分け合うような幸せに
別に寒くはないんだけど
毛布に包まって眠った



前へ次へ
戻る