少しつめたい風が足もとを通る頃



涙が落ちて消えた残り火
次の季節が少しのぞいた

のどに詰まった煙の匂い
線香花火が照らす想い出

石段に跳ねる二人の足音
雑踏を紡ぎ奏でるように

逃げ水を描く二つの絵筆
無愛想な風が彩る想い出

落書きの中に零れた気持ち
寂しいくらいそばに感じた

画用紙に滲む恋の残り火
次の季節を教えるように
照らされた想い出



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