空に続く無彩色 切り裂くように風は吹いて 震える胸は確かだけど 受話器越しの君の声が 目に浮かぶように弾んでいて まるで暖かい缶コーヒーみたい 僕を包み込む 裏切らないように 傷付かないように 良くも悪くも冷静な僕は 君に的確な指示を送って 嘘は吐かないように 気付かれないように 欲も建前も精密なジョークで 常に一定の距離を保つ 闇に沈む無数の刻 切り取るように言葉を選んで 震える指は君を描くけど 彼のことを話す時の 君の顔が一番好きだから 僕の役目は消えてしまわないように 全てを飲み込むこと 上着を貸すように 壊さないように 夜も覚めても永遠に続く 煌びやかで触れられない甘い世界 愛想尽かされないように 君が疲れないように 読みは鋭く嫉妬心は眠らせて 今日も優しく手を振る