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オレンジゼファー



気付けば
大切な人たちを
横一列に並べて
数字に直してた
何様のつもりだ?

築いては
無に帰し繰り返し
何も残らないなんて
どこに目を付けてんだ?
足元に確かな影

何かにたとえようとしても
時計の針のほうが純粋だったりして
苛立ちだけが浮かんだ空
そんな悲しい空にさえ雨は虹を架けてしまう

そう
ただの丸いオレンジさえ
折り畳めば愛の形になって
教えてくれる
「きみが思うほど難しいことじゃない」

背負ったままの空っぽのリュックサック
その中に入ってれば暖かいけど
手を伸ばせなくて
温もりを手に入れるのって簡単じゃないな

だからこそ
いつか誰かにとっての温もりであるように
このただの感情を
折り畳める日がくるように
祈りながら
時折忘れながら
思い出しながら
流れ流れて知らない空へ

傷付いては
退屈を歪ませて
ややこしい形に並べて
記憶に映し出した
雪のように優しく積もりだした

折り畳んだオレンジが
重なって一つの線となって
また別の意味を生む
この痛みなどたいしたことじゃない

2007/7/21 0:55

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