愛情表現にも色々あって 誰かにとってはただの痛みであっても全然不思議じゃない たとえばこんな話 彼の愛情の侵入を 彼女は頑なに拒んだ あとでシミになるのが 経験上分かっているから それでも彼は諦めない 努力すれば報われるって 先生は言っていたから 誰も間違っちゃいない 受け入れることも混ざることもできない 透明だった体はひたすら曇っていく そして見えなくなっていく たとえばこんな話 彼は待ち続けた 彼女も待ち続けた 先に動いたほうが 負けのような気がしたから 二人の真ん中の 紅茶は冷めてしまった お互い手の届く位置にあったのに 冷めてしまった そして正しさを求めて 僕らはまた過ちを繰り返す 色んなものを引きずりながら 色んなものをすり減らしながら