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二つの地球儀



そうやって単純に片付ける感情と
そうじゃないなってややこしく掘り返す感情と
切り取った僕の二つの感情が二つの地球儀みたいに
反対方向にくるくる回ってる
そして真ん中にあるものを動かす

君を悲しませた僕の言葉、それは悲しい
僕を悲しませた秋の風は
君の涙を奪っていった
僕のものにしたいんだ
僕の本当は
僕にとっての嘘だ
単純な話だ、僕は一人じゃないんだ
ややこしいけど僕のなかに僕そっくりの僕が潜んでて
たまにのどから顔をのぞかせて
君がほしい、
君がほしいって
繰り返すから恥ずかしくなって
僕は何も言えなくなる
そして君とさよなら
君のためだ、
君のためだなんちゃって
秋の風に言い訳してる


そうやって単純に片付ける感情と
そうじゃないなってややこしく掘り返す感情と
切り取った僕の二つの感情が二つの地球儀みたいに
ぶつかり合うことで少しずつ近づいて
そして唯一の真実を作り出す

明日この体が違うものになっていても
何の問題もなく秋の風は君の涙を奪っていくだろう
僕のものにしたいんだ
僕の地球儀を
僕の嘘で塗り潰した
単純な話だ、もちろん君まで消えてしまった
ややこしいけど僕のなかにちょっと僕よりの君が潜んでて
眠れない夜とか天井におじゃまして
都合いい風に
切り落とした
記憶をつないで恥ずかしくなって
僕は何も言えなくなる
そして君とさよなら
君のためだ、
君のためだなんちゃって
生きていくために傷ついてる

明日この体が違うものになっていても
僕は君を探すのかな
それとも僕を探すのかな
二つの地球儀みたいに
反対方向にくるくる回ることで
僕を明日へと押し出して

2009/11/8 2:54

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